私の乗りバスは廃止発表されたわけではないが本数の少ない路線と新規参入の路線を優先して行きたい。ただ「本数が少ない」というのは私の感覚では1日1本とかそういう路線のつもりだったが、昨今は毎時1本程度ある路線でもいきなり廃止になるから私もそのつもりにならないといけない。
— 空想委員・臼井空 (@AtorsM1) 2024年2月23日
平成以降の日本における乗合交通趣味というのはどうしても”葬式”のようになってしまうものであるが、やはり趣味とは後ろを向いて行うものではなく、あくまでも前を向いて行いたいものである。ノスタルジー趣味を否定するつもりは全くないが、ただ私は意識的に新しい路線へと目を向けていきたいと思っている。
モータリゼーション以降の乗合交通はすべてオワコンで縮む一方だと決めつけている人も多いのではないかと思うが、実際のところ運輸業界においても新しい挑戦は続いているものである。定着せずに消えていったものも多いが、意外な路線がごく最近の運行開始だった、ということも往々にしてあるものである。
ここに挙げたのは空4年2月12日(西暦2024年2月12日)に乗車したみなと観光バスの131系統(六甲アイランド~阪急御影)である。この路線は平日朝ラッシュ時には1時間に4本、それ以外の時間帯も毎時2~3本を運行する高頻度路線であるが、Wikipediaによれば驚くべきことにこの路線は西暦2019年の運行開始であるという。六甲アイランドと言えば六甲ライナーであるが、同路線は神戸本線に接続していないことと阪神本線との接続が魚崎駅であること、また六甲アイランド内をこまめに回るわけでないことからこちらのバスも支持を集めたものと思われるが、それにしてもこのような潜在需要がまだ神戸市内にあったとは驚かざるを得ない。
大都市だけではない。京都府内で人口が最も少ない自治体は相楽郡笠置町であるが、西暦2024年2月1日付京都新聞によれば同町の人口はついに1000人を下回ったということであるが、同町内を走る相楽東部広域バスはこの路線も西暦2017年の運行開始であり、2023年には毎日運行化と増便を行うなど積極策が続いている。利用は好調とは言えないようであり、加茂駅で接続する関西本線の大和路快速も毎時1本に減便されてしまったが、それでもこうした挑戦を続けているわけである。
今後の日本における成長産業としては観光業も重要な位置を占めるが、そちらへの乗合交通の協力・挑戦も見逃せないものがある。既に運行期間は終わっているが、この年末年始にはNHKの大河ドラマ「光る君へ」に合わせる形で京阪バスが周遊観光バス「紫式部光号」を中書島・宇治~石山で運行を行った。2/9の中書島発朝の初便に乗ったところ乗客は私1人という寂しい状態であったが、しかしそれでも新規需要の開拓を試みる姿勢は肯定的に捉えたいところである。
運輸業界においても人手不足が深刻化しているが、今後の就業者獲得のためにも斜陽業界などという風評を吹き飛ばすべくこのような新しい取り組みがますます重要になるだろうと思われる。私も乗り、また情報発信も行っていきたいところである。