いよいよ、私の人生が再起動しつつある。この「人生の再起動」というテーマにおける具体的な行動は多岐にわたるが、少なくともインターネット上での行動においては、その最後の仕上げは「Twitterの政治アカウントへの復帰」ということになる。ずっとそれが最終目標として私の中で認識されており、それが正常に実現したことを以て「正常化」とすることは私の暗黙の了解事項であったのだ。
そもそも私は西暦2012年にTwitterを始めた当初はどんなことでも平然と言及していたが、その後2014年春に突入した「最初の長期休止」を経て、2015年には「政治的言説への言及取り止め」を発表することとなった。何があったのかと言えば、直接的にはTwitterを通して知り合ったある人物にデモに誘われたことに始まる。別にそれ自体は良いのだが、しかしその人物が「近代国民国家という枠組みは失敗であったからイスラムの社会を最近勉強している」などという、まるでISあたりのジハード戦士のようなことを言い始めたことをはじめ、ちょうど盛り上がっていた安保法制についても別に喫緊のテーマというわけでもない「徴兵制導入反対」を掲げて反対運動を展開するなど、端的に言って暴走としか取れない行動があまりにも目立ち、これはもう付き合いきれないと思いその人物との関係は断ち切ることにしたのである。そしてそれはただその人物との関わりを絶つということに留まらず、当時私は明らかに猛烈な混乱状態にあったため、同時にTwitterのいわゆる政治クラスタとも距離を置こうと思ったのである。
私が言うまでもなく、政治的言説のやっかいなところはデマゴーグが飛び交うことである。判断力の鈍った状態ではそのデマゴーグに飲まれてしまう。いかにしてデマゴーグに飲まれず冷静な判断力を維持するか。それが政治的言説への復帰における課題となる。
その目標に向けて私は2度ほどTwitter上で勇み足をしてみたわけであるが(※1)、その結果よくわかったのはたとえ著名な学者であったとしても、インフルエンサーとは距離を置くべきだということであった。それを認識した私は再びTwitterを再構築すべく一旦休止し、全ツイート消去の上で3度目の再起動を果たすわけだが、それからしばらくは社虫太郎氏ら一部の知識人・専門家をフォローしつつも基本的には相変わらずの趣味アカウントとして運用することになった。それは私の趣味自体が昨今大きく変化し、旧来の交通趣味に商業開発(地理)と決済(金融)を加えた3本柱が中核に据えられる中で、新しい趣味である商業と決済の情報を収集する手段が必要とされ、結果的にその役目をTwitterが担うことになったためである。そしてそれは今ほとんど完成し、Twitterリスト8番のメンバーは109アカウントまで膨れ上がっている。先日は商業・決済趣味者からあきな氏を、交通趣味者からせきのりかず氏をフォローさせて頂いた(※2)が、これで当面は趣味者の新規フォローは打ち止めとするつもりである。
そしてそうなるといよいよ、次は政治の話、ということになるわけだ。
※1 以下の2回
1.2020年3月:多量のフォロワーを有するアカウントにおける「スルーしてもらうこと」への実験的行動
2.2021年8月:無名の一般人のフォローを基本的に取りやめ、名のある学者等を集中的にフォローすることによる情報流入コントロールとその下での積極的行動の模索
※2 せきのりかず氏は旧アカウント以来2度目のフォローとなる。前回も今回も私からの片フォローであることが共通している
それを考えるにはまず私の党派性を考える必要があるが、これは実に難問である。私は立憲民主党の支持者であるが、この党は野党第一党ではあるがしかし、その立ち位置は極めて微妙である。西暦2017年に結党されたこの党は(※3)、初代党首・枝野幸男氏からしてバリバリの右翼である【保守政党】であるはずだが、しかし実際には高い支持率を持つ自民党への対抗軸として左派系の知識人・インフルエンサーに過剰なまでに支持され、本来の党派性からは乖離した状態が長く続いている。
立憲がやろうとしてるのって「旧民主や維新のようなポピュリズムを否定し社民共産の硬直性にも陥らず自民と同じくらい社会に浸透した中道左派包括政党を目指す」という殺人的な難易度のゲームな訳で、未だ諦めずに済んでいるだけで奇跡に近い。諦めて「滅びに向かう広き門」を通るのはいつでもできる。
— masa @もっと良い未来へ (@masa_CDP) 2023年4月20日
↑仰る通りなのだがしかし、2009年の政権交代選挙で旧民主党を支持したようなポピュリズム左派が多く支持層に流れ込み、それ故に本来の中道・反ポピュリズム的政策を打ち出すと「右傾化した」などと言われ猛烈な批判が巻き起こる、という状態が続いていることは否めないだろう。
※3 公式には2017年に結党された初代立憲民主党は2020年に解党され、初代国民民主党と合流して2代目立憲民主党が結党されたことになっているが、そんな風に見ている人はほとんどいないだろう。私も2017年に結党された立憲民主党が今なお連続して存続しているものと認識しており、この記事もそれを前提として記述する。
そして党と同じく私もまた大変微妙な立ち位置である。私はそもそも「フランス革命の省察」を著したエドマンド・バークのような最も旧来的な意味での保守主義者のつもりなのだが、同時にそのエドマンド・バークらの思想は次世代に受け継がれることなく死滅し、後に共産主義に反対し新自由主義を支持した”保守派”なるものとはほとんど無関係でもあると思っている。近代啓蒙主義が全世界を覆いつくした結果”保守”というものは実質空座になっており、また空座だからこそその時々の進歩主義者や、時にはメインストリームそのものとは違うと認識された人々、あるいはそれを批判した人々が”保守”なるカテゴリーに押し込まれたり自称したりしているに過ぎないのではないかと私は思っている。つまり、私が属すべきカテゴリーは「存在しない」というのが正しい認識というものだろう。
それはそれで良いのだが、しかしだからこそ世界はすっかり袋小路に陥ってしまったように思われる。昨今世界を覆う閉塞感や終わらない戦争、実にどうでも良いことで時間を空費しあるべき改革がなされないというのも、結局はエドマンド・バークがかつて批判した急進的進歩主義が全世界を覆いつくし、啓蒙すべきフロンティアをなくしてもなお人類のほぼ唯一の思考の枠組みとして横たわり続けており、その脱構築がなされないが故のものなのではないか、と思われてならない。もちろん原因はそれだけではないが、それに起因する問題が極めて多いのではないか、と私には思われるのである。
そして私の望みは、この地獄から脱却することである。
そのために今の日本において必要なのは、第一に左派系知識人に学ぶことだと思っている。それは特に安倍政権以後の日本においては、作家の適菜収氏が指摘する通り「右翼=バカ」という図式がほぼ確立し、同時にまともな知識人はほぼすべからく左翼ということになったからである。少なくとも日本語のTwitterの中ではそうなったと言っても過言ではないだろう。そしてまた同時に必要なのは、その”日本左翼”と呼ぶべきものを批判的に解体し、その遺産を継承しつつ新しい日本左翼(日本リベラル)を創成することだろう。ここで言う「左翼」とはメインストリーム≒自民党的なものと対峙し、交代可能なものという意味である。そもそも私は全く批判や誤解を恐れずに言えば、従来の”日本左翼”とは今はもうほとんど廃れた過激な共産主義者らを除けば結局のところ、確かに目覚ましい発展を遂げつつも結局はまだまだ後進国でしかなかった戦後昭和の日本において、諸外国の情報をかいつまみつつ、情報網の未発達による人々の視野の狭さを原動力にして奇形的に膨れ上がった何かだと思っている。平和主義や自由・人権といった分野では見るものがある一方で、今なお日本共産党が論理的整合性を明らかに失ってでも固執する反公共事業のようなものは結局、高速交通網の発達が平成に入ってからとなり、欧米基準では軽便鉄道としか言いようのない旧国鉄線が基幹交通であり続けていた昭和の時代に、「これでもう日本は十二分に豊かになった」と錯覚した人々の亡霊のようなものだろう。それでは今、ようやく発達しつつある高速道路網・高速鉄道網に支えられた生活を送る今の若者達の支持を集めることができないことは明らかである。情報網の発達によりマクロ的視野に富むZ世代が、ヨーロッパではリベラル派に属して環境問題を訴えつつ日本では自民党支持に流れているのは概ねそういうことだろう。そしてまたそれがさらに過剰な”右傾化”の温床となる悪循環に陥っているものと思われる。この流れは食い止めなければならないが、しかしそれは旧来の”日本左翼”を復活させることではあり得ないのである。
この時代にあって、その新しい日本左翼の糾合軸となるべき既成政党はと言えばやはり立憲民主党だろう。今私がそう思うことができるのは、それは家電量販店の専門家としてフォローさせていただいた昇り龍氏の功績である。
泉健太は仲間を撃つのかという意見もあるが、むしろ本気で政権を取るつもりがあるからこその行動。報道機関への圧力を伺わせた小西洋之を更迭するのは当然。
— 昇り龍2番街・政治と社会の街 (@risingdragon_2) 2023年4月1日
ざっとTwitterをみる限り、自民党が嫌いなだけでで別に立憲民主党に対して思い入れのない人は小西洋之更迭に対して批判的、立憲民主党を支持している人は泉健太に肯定的という感じ。
— 昇り龍2番街・政治と社会の街 (@risingdragon_2) 2023年4月1日
↑ポピュリズム左派とは明らかに一線を画すことがわかる主張・分析の例
同氏のツイートにより私はようやく、ポピュリズム左派とは一線を画す草の根の立憲民主党支持者を観測することができた。同時に私の望む左派再編の基軸となるべき人々は、彼ら草の根の左派であることも認識した。私は今後草の根の左派によりリスト7番を拡充し、その情報・言論収集を行うと同時に、私もまたこちらの分野においても今後は可能な限り積極的に発信していきたいと思う。
(委・委員長)